東向きマンションはカビが発生しやすい?実際のリスクとオーナーが知っておくべき対処法を紹介

Published On: 2024年04月02日Categories: 初心者向け
東向きマンションはカビが発生しやすい?実際のリスクとオーナーが知っておくべき対処法を紹介

東向きのマンションなど、日当たりの悪い物件を購入する際に注意したいのが、湿気やカビの問題です。

日当たりが悪いマンションのカビ問題は築古マンションほど起こりやすいですが、新築・築浅マンションでも発生する可能性は十分にあります。

東向きマンションのカビのリスクや対処法について解説していきます。

東向きのマンションは本当にカビが生えやすいのか

東向きの物件を選ぶ際、日当たりの良さを期待する一方で、カビの発生についての懸念を持つ方も多いでしょう。

しかし、方角だけがカビの発生の要因となるわけではありません。

具体的な要因を考慮しながら、東向きのマンションがカビが生えやすいのかどうかを検討してみましょう。

東向きは日当たりが悪く湿気がこもりやすい

カビが発生しやすい条件には、湿度、温度、栄養源、および酸素が必要です。

特に湿度60%以上、温度20~30℃の環境がカビの繁殖に最適です。

東向きのマンションの部屋は、午後から日が陰ってしまい、湿度が上がりやすくなることが考えられます。

東向きのマンションがカビが生えやすいかどうかは一概には言えません。しかし、特定の条件下、特に湿気がこもりやすい環境では、カビの発生リスクが高まる可能性があります。

実際、東向きのマンションは、午後の日当たりが不足しやすく、湿気がこもりがちです。

この湿気のこもりやすさは、カビが発生する大きな要因となります。

加えて、マンションは戸建てに比べて気密性が高いため、湿気のこもりやすさが更に強まる場合があります。

更に日が当たりにくい北側の壁面に注意

東向きの物件において、特に北側の壁は日が当たりにくいため、更なる湿気の蓄積とカビのリスクが考えられます。

マンションに発生するカビに関するポイント

断熱材の入っていない築古マンションはカビが生えやすい

築年数が経ったマンションには、最新の断熱技術や材料が施されていないことが多いのが現実です。

特に一昔前のマンションでは、断熱材の導入が一般的ではありませんでした。このような築古マンションには、冬季に結露が発生しやすい特徴があります。

結露のメカニズムを理解すると、冬場、外の空気が冷え切っている際に、部屋の水蒸気が冷たい窓や壁に触れ、水滴となる現象が起きます。

この結露の水滴が部屋の湿度を上げ、結果としてカビの発生につながるのです。

また、築20年以上のマンションでは「断熱不十分」の可能性が高く、築40年以上経過したものには「無断熱」のケースも考えられます。

特に北側の部屋や外気に直接触れる窓ガラス、アルミサッシなどの熱伝導率が高い部分では、結露が特に発生しやすいです。

さらに、この結露はただの水滴とあなどれません。なぜなら、結露が原因となり、湿度が増加することでカビやダニが発生し、それらは健康被害の原因となるからです。

昔の木造住宅とは対照的に、築古マンションでは気密性が高められているため、湿気が逃げにくいのも問題です。

その結果、湿気がこもりやすく、カビの発生条件が整うのです。

このような状況を改善するためには、断熱の導入や風通しを改善する必要があります。

新築マンションでもカビが生えるリスクはある

新しいマンションや住宅を購入した際、多くの人が最新の設備や清潔な空間を期待します。

しかし、新築のマンションでもカビが発生するリスクは確実に存在します。

コンクリートは、セメントと水を混ぜて作られるため、新しい建築物では数年間水分が蒸発していきます。

この過程での湿度上昇は、カビの繁殖にとって良好な環境を生み出します。これを防ぐためには、定期的な換気や、場合によっては除湿機の使用が必要です。

最近のマンションや住宅は、省エネを実現するために、高気密・高断熱が重視されています。

これにより、夏は冷房が効きやすく、冬は暖房効果を持続させることが可能となります。しかし、その反面、室内の湿度が逃げにくくなるため、カビが発生しやすい環境が生まれるのです。

RC造のマンションは結露しやすい

RC造(鉄筋コンクリート造)のマンションは、近年の都市部での建築に多く採用されています。

この構造は、耐震性や耐火性に優れており、長持ちするというメリットがあります。

しかし、その一方で気密性が高いために室内の湿度がこもりやすく、結露のリスクも高まるというデメリットが存在します。

RC造のマンションが結露しやすい理由は、以下の3点があります。

気密性が高い

RC造はその構造上、外からの空気の侵入を効果的にブロックします。

これにより、冷たい外気が容易に室内に入ることを防ぎ、暖かさを保ちやすいという特性があります。

しかし、この気密性が高いために室内の湿気が外へ逃げにくく、湿度がこもりやすくなります。

調湿性能が低い

木造住宅は木材が湿度の調整をサポートします。

木は湿気を吸収し、乾燥時には放出する調湿機能を持っています。

対照的にRC造の主要な材料である鉄筋やコンクリートは、このような調湿機能を持たないため、湿気がこもりやすい環境となります。

熱伝導性が高い

鉄筋コンクリートは金属を使用しているため、木材に比べて熱を伝えやすい性質があります。

これにより、外気温の影響を直接受けやすく、結露の発生リスクが高まります。

東向きマンションに有効なカビ対策

東向きのマンションに住む方向けの、効果的なカビ対策を紹介します。

サーキュレーターを置く

サーキュレーターは空気を循環させることで湿気を減少させます。

特に窓が一つしかない場合や窓を開けにくい場合には、サーキュレーターが非常に効果的です。

こまめに掃除をしてホコリを溜めない

ホコリや汚れは湿気を吸収しやすいので、定期的な掃除はカビ予防に役立ちます。

衣類・カーテンの湿気を取る

湿気の多い季節や雨の日には、衣類やカーテンが湿気を吸収しやすくなるので、定期的に乾燥させることが大切です。

除湿剤を置く

除湿剤は室内の湿気を吸収することで、カビの発生を抑えるのに役立ちます。

マンションのカビを取る具体的な手順

①必要な用具を準備する

カビ取り剤やブラシ、マスクなどの用具を揃えることから始めます。

カビ取りに必要な一般的な用具は、消毒用エタノール、マスク、ブラシ、ゴム手袋、スポンジ、ゴーグルなどです。

②換気をおこなう

カビ取りを行う前に、部屋の換気をしっかりと行いましょう。

③カビ取りをする

カビ取り剤をスプレーし、ブラシでこすり落とします。

また、キレイな雑巾に消毒用エタノールをふきかけて、カビている部分を丁寧にふきとっていきましょう。

④防カビ剤を塗布する

カビ取り後は、再発防止のための防カビ剤を塗布します。

防カビ剤は、個人で使用できる市販のものから、業者が使うより業務用のものまで様々あります。

⑤乾燥させる

カビ取りと防カビ剤の塗布後、部屋を十分に乾燥させましょう。

東向きマンションのオーナーはカビ対策を忘れずに

東向きのマンションは、朝日をたっぷりと浴びることができる一方で、カビが生えやすいというデメリットも持ち合わせています。

特に、RC造の建物は、内部の湿度が高まりやすく、カビの発生に特に注意が必要です。

しかし、適切なカビ対策を行うことで、この問題は予防および管理することが可能です。

まず、カビの生育には湿度が大きな影響を与えます。

そのため、室内の湿度管理がカビ対策の最も基本的なステップとなります。

湿度を適切なレベル(通常は50~60%以下)に保つために、除湿機の使用や定期的な換気を心掛けましょう。

特に、浴室やキッチンなど、湿気が多く発生する場所は注意が必要です。

また、壁や床のカビ防止塗料を使用することも一つの方法です。

これらの塗料はカビの栄養源となる成分の付着を防ぎ、カビの発生を抑制する効果があります。

さらに、定期的な清掃とカビ予防用のクリーニング剤の使用も、カビの発生を予防する上で効果的です。

オーナーとしては、入居者に対しても、カビ予防のための情報提供とアドバイスを行うことが望ましいです。

入居者自身が日常的なカビ対策を行うことで、より効果的にカビ問題を防ぐことができます。