グループホーム経営の収益化は難しい?収入の仕組みと気になるメリット・デメリットを解説

Published On: 2024年04月02日Categories: 初心者向け
グループホーム経営の収益化は難しい?収入の仕組みと気になるメリット・デメリットを解説

障がい者・高齢者を対象としたグループホーム経営は、開業数が近年増加している分野です。

需要も近年増えている分野ではありますが、社会貢献だけでなく、事業としての計画や分析も必要になってきます。

今回は、グループホーム経営の前に知っておきたい、気になるメリット・デメリットを解説していきます。

グループホームの開業数は意外に多い

日本の高齢化社会と障がい者の自立をサポートする取り組みは、グループホーム経営の増加を後押ししています。

2017年時点で、全国には「障がい者グループホーム」として約7,600の施設が存在し、その数は近年、増加の一途を辿っています。

この増加の背景には、国の福祉サービスへの予算の増加が挙げられます。

実際、過去10年で障がい福祉サービス関係の予算は2倍以上に増加し、1兆4000億円近くにまで達しています。

また、65歳以上の高齢者数は、2025年には約3,677万人と予測され、その中には認知症の高齢者も増加することが予想されています。

これに伴い、高齢者向けのグループホームの需要も高まっており、経営者にとっては市場の拡大とともにビジネスチャンスが広がっていると言えるでしょう。

さらに、訓練給付金の増加など、障がい福祉サービス関係の予算が増えている現状も、グループホームの開業を後押ししています。

特に令和5年度の予算は1兆5,079億円と、前年比で869億円もの増加を見せており、これはグループホーム経営の拡大に寄与していることが伺えます。

これらの背景から、グループホームの開業数の増加は、今後も続くことが予想されます。

高齢者や障がい者へのニーズが高まる中、グループホーム経営は社会にとって重要な役割を果たし続けるでしょう。

グループホーム経営の種類

グループホームは、高齢者や障がい者の生活を支援する施設として、多くの地域で需要が高まっています。

その経営形態やサービス内容は多岐にわたり、経営者や利用者のニーズに応じて様々な選択が可能です。

以下では、主なグループホームの種類と特徴について説明します。

1. 対象者による分類

認知症高齢者グループホーム

軽度の認知症を持つ高齢者を対象とし、5〜9人のユニットでの共同生活を前提としています。

スタッフのサポートのもと、自立した生活を目指すことが主な目的です。

障がい者グループホーム

身体、知的、精神の障がいを持つ人々の自立支援を目的とした施設。2〜10人単位での共同生活が基本となります。

2. サービス内容による分類

介護サービス包括型

主に夜間や休日に、グループホームの職員が入浴、食事、トイレの介護や家事などのサービスを提供する形態。

障がいの重度が比較的高い方が利用することが多いです。

外部サービス利用型

外部のサービス、例えばヘルパー事業所などからの派遣スタッフを活用し、介護サービスを提供します。

比較的軽度の障害を持つ人が多く利用します。

日中サービス支援型

日中も含めて、スタッフが介護や生活支援を提供します。

必要な場合、一時的な宿泊も対応可能で、より手厚いサポートを求める方向けの形態です。

3. 住居形態による特別なタイプ

サテライト型

グループホーム近くのアパートやワンルームマンションで、一人暮らしをしながらも、必要に応じてグループホームの支援を受ける形態。

入居制限が原則3年となっています。

グループホーム経営で収益化できない理由

1. 開業者の意識・能力の不足

障害者グループホームの開業には、ビジョンやコンセプト設計、人材確保、支援の質の向上など幅広い知識と能力が求められます。

しかし、開業者が自らの得意領域のみに目を向け、必要な業務や法令への理解が足りない場合、経営は上手く進展せず、収益化の障壁となることが多いです。

2. 十分なマーケット調査を怠る

開業予定地の選定には、周辺環境や利便性、競合となる施設との位置関係などを調査する必要があります。

これを怠ると、利用者が集まらず収益が上がらないリスクが高まります。

3. 適切な人材確保の難しさ

指定基準に合わせた人員を確保することは経営の基本ですが、身内や知人だけに頼ったり、求人広告が不十分であると、質の良い人材が集まらず、サービスの品質や運営に影響を及ぼすことが考えられます。

4. 開業支援業者との連携不足

行政書士やコンサルティング、フランチャイズなどの開業支援業者の助けを借りる際、双方の意思疎通や連携が不十分だと、開業準備が適切に進まないことがあります。

このようなトラブルは、経営が安定せず収益化への道のりが遠のく要因となります。

これらの要因を克服するためには、開業者自身がしっかりとした意識と情報収集をもち、適切な人材や業者との連携を深めていくことが必要です。

グループホーム経営のメリット

1. 長期的な安定収入の実現

認知症患者の数は増加しており、そのサポートが必要とされる背景があるため、グループホームの需要は増加傾向にあります。

これにより、安定した収入が見込めるだけでなく、事業者型整備やオーナー型整備を採用することで、月々の収入の安定性も向上します。

2. 節税・相続税対策の実現

グループホームは居住施設として扱われるため、アパートやマンションの経営と同じように相続税や固定資産税の節税効果が期待できます。

特に「貸家建付地」としての評価を受けることで、評価減を享受し、相続税の負担を軽減することが可能です。

3. 土地の有効活用と社会貢献

駅からの距離や周辺の商業施設の有無など、一般の賃貸物件としては不利とされる土地でも、グループホームとしての経営は可能です。

これにより、土地の有効活用と同時に、社会に貢献することができます。

4. 補助金を利用した開業のサポート

社会福祉施設等施設整備費補助金など、グループホーム経営に際して利用できる補助金が存在します。

これにより、開業時の負担を軽減し、スムーズな事業運営が可能となります。

5. 運営を第三者に委託する柔軟性

土地や施設の所有者が直接運営を行わなくても、運営を専門の事業者に委託することで、リスクを最小限に抑えつつ収入を確保することが可能です。

グループホーム経営のデメリット

1. 建物の転用が難しい

グループホームの経営が成功しない場合、その建物を別の目的で使用するのは容易ではありません。

高齢者向けの特別な設備や間取りが必要なため、一度グループホームとして建築されると、アパートやマンションへの転用は大規模な修繕や変更が必要になり、それに伴うコストもかさみます。

2. 高い建築費用

通常の住宅と比べて、グループホームは高齢者の安全や利便性を考慮した設備の導入が求められるため、建築費用が高くなることが一般的です。

特に新築の場合、1億円以上の投資が必要となる場合もあります。

3. 繁雑な手続き

グループホームを経営するには国や自治体の基準を満たす必要があり、それに伴う事業者認定や運営規程の定義など、多くの手間が必要です。

これらの手続きは、経営をスムーズに進めるための重要なステップではありますが、初めての経営者にとっては大きな負担となる可能性があります。

4. 競争の激化

現在、グループホームの需要は高まっていますが、将来的には供給が増加し、競合との差別化が必要となるでしょう。

新たなグループホームが増えることで、競争が激化し、利用者の獲得が難しくなる可能性があります。

そのため、地域のニーズをしっかりと把握し、独自のサービスや特長を打ち出すことが重要となります。

グループホーム経営の収益化にはしっかりとした戦略が必要

グループホーム経営は、社会的な需要が高まる中で注目されているビジネスの一つです。

しかし、高い社会貢献度を誇るこの事業は、その収益化には多くの挑戦が伴います。

成功するためには、単に良い意図を持っているだけではなく、事業としての持続可能性を確保するための戦略が不可欠です。

まず、市場ニーズの正確な把握が必要です。地域によって高齢者のニーズや、既存の介護サービスの充実度は異なります。

そのため、ターゲットとする地域の具体的な需要を理解し、差別化できるサービスを提供することが重要となります。

次に、運営の効率化とコスト管理に着目する必要があります。

人件費はグループホーム経営における大きな経費です。適切な人材を確保しつつ、無駄なコストを削減するための工夫が求められます。

また、施設の維持管理に関しても、コストを抑えつつ高品質を維持するバランスが必要です。

さらに、地域社会との連携を強化することも、事業成功の鍵となります。

地域の福祉機関や医療機関との協力体制を築くことで、利用者に対してより質の高いサービスを提供することが可能となります。

また、地域のイベントへの参加やボランティア活動などを通じて、地域社会との良好な関係を築くことは、長期的な運営の基盤を強化します。