アパート経営者の職業は何業にあたる?不動産貸付業や貸家業などの記入例をケース別に解説
アパート経営を専業でおこなっている場合、職業はどのような表記になるのでしょうか?
実際のビジネスでは、アパート経営をどう表記するかは場合によって異なります。
今回は、様々なパターンに合わせて紹介をしていきます。
マンション・アパート経営でかかる管理費・修繕費とは?それぞれの特徴・費用相場や費用を抑えるポイント
アパート経営者の職業は何業?
「不動産貸付業」と記載するケース
「不動産貸付業」と記載するのは、確定申告などのケースです。
確定申告書において、アパート経営者は一般的に「不動産貸付業」と記載します。
「不動産貸付業」と記載しないと、都道府県が課税する個人事業税がうまく課税されない可能性があります。
「貸家業」と記載するケース
国の統計資料などでは、アパート経営者の職業分類は「貸家業」とされています。
具体的には「不動産賃貸業」および「貸家業、貸間業」に該当します。アパート経営も賃貸事業なので、このカテゴリーに含まれます。
「無職」とみなされるケース
一部の場合では、アパート経営が専業で生計を立てているオーナーを「無職」とみなすこともあります。
アパート経営者用の職業項目が用意されていない場合は、無職と記載するしか方法がないケースもあります。
しかし、アパート経営者は実際には家賃収入を得ており、不労所得を受け取っているため、無職ではなく、アパートを経営している旨は確実に記載すべきです。
アパート経営者の職業例をケース別で紹介
銀行口座の開設
新しい銀行口座を開設する際、銀行は口座所有者の職業を確認します。
アパート経営者の場合、口座開設申し込みフォームには「不動産貸付業主」や「アパート経営者」と記入します。
これにより、銀行は適切なサービスを提供し、税金源の情報を取得できます。
保険の申し込み
不動産を所有する際、火災保険などの保険をかけることが一般的です。保険会社は契約者の職業を知りたい場合があります。
アパート経営者の場合、保険申し込みフォームには「不動産貸付業主」や「大家」といった表現を使用します。
これにより、適切な保険プランを提供されるでしょう。
資産管理関連の書類への記入
アパート経営者は、賃貸物件の資産管理を行う必要があります。この際、専門家やプロパティマネージャーと連携することもあります。
資産管理関連の契約や書類には、職業として「不動産貸付業主」や「不動産管理業者」と記載されることが多いです。
不動産貸付業とは一体なに?
「不動産貸付業」と「不動産賃貸業」は、似たような意味を持つ言葉ですが、使用される文脈によって使い分けが必要です。
不動産賃貸業は、不動産を賃貸する事業全般を指します。これには住宅を貸すことも、オフィススペースを貸すことも含まれます。
具体的には、アパート、マンション、店舗、オフィス、倉庫、工場、などが該当します。不動産を所有し、他の個人や法人に貸し出すビジネス活動が不動産賃貸業の一部です。
不動産貸付業は、確定申告や税務申告の際に使用される用語で、不動産による収入を正確に分類するためのものです。
不動産貸付業は、主に不動産を土地、建物、またはそれ以外の土地に分類します。
不動産賃貸業は不動産を貸し出す事業全体を指し、不動産貸付業は確定申告などで収入を詳細に分類するための用語です。
不動産賃貸業の中には、不動産貸付業が含まれることがあります。どちらの用語を使用するかは、文脈に合わせて選びます。
不動産賃貸業の分類例
貸家業
貸家業は一般的な住宅を貸し出す業態で、アパート、マンション、一戸建てなどが該当します。
多くの個人経営者が貸家業を行っており、アパート経営者もこのカテゴリーに含まれます。
貸事務所業(貸ビル業)
オフィスビルを所有し、法人や企業にオフィススペースを貸し出す事業などが一般的です。
一般に、貸家業よりも入居者との契約期間が長くなる特徴があります。
大きく分けると、上記の2つに不動産賃貸業は分類することが可能です。
不動産賃貸業の対象となる不動産
住居系不動産
住居系不動産は、住宅を対象とする賃貸用不動産です。具体的な種類には次のようなものが含まれます:
- 戸建て住宅
- アパート
- マンション
- シェアハウス
- 民泊(一時的な宿泊を提供する形態)
住居系不動産は、個人やファミリー、シングル層など、幅広い入居者に向けて貸し出されます。
需要が安定しており、適切な管理が行えれば安定的な収益を生み出すことができます。
事務所系不動産
事務所系不動産は、オフィススペースを対象とする賃貸用不動産です。主なカテゴリーには次のものが含まれます
- オフィスビル
- コワーキングスペース
オフィススペースは法人や企業を対象としており、契約期間が通常比較的長いです。
近年、コワーキングスペースの需要が増加しており、新しいビジネスモデルとして注目されています。
商業系不動産
商業系不動産には多くの種類があり、商業施設、飲食店、コンビニエンスストア、ホテル、物流倉庫、駐車場などが含まれます。
また、保育施設や介護施設も商業系不動産の一部です。
商業系不動産は、地域の需要に応じてさまざまな業態を提供します。例えば、ショッピングモールは小売業者を引き寄せ、ホテルは観光客を受け入れます。
地域の特性や需要に合わせて物件の種類を選びますが、大規模な商業施設の運営には多額の資金とリスクが伴います。
アパート経営者は場面ごとに適切な職業記載が必要
アパート経営者として、さまざまな場面での適切な職業名の記載は、思わぬリスクを避けるために非常に重要です。
納税面での不備や、法律的なトラブルを防ぐためにも、職業名をどのように記載するかは、慎重に考えるべき事項となります。
本記事では、アパート経営者が遭遇する可能性のある具体的な場面と、適切な職業記載の方法について解説します。
まず、税務申告の際には、不動産所得があることを正確に申告する必要があります。
この時、自分を単なる「サラリーマン」として記載するのではなく、「不動産経営者」または「不動産所得がある個人」として記載することが求められます。
これにより、所得の種類を明確にし、税務上の誤解を避けることができます。
また、銀行融資を受ける際にも、職業名の記載は重要です。
アパート経営を本業としている場合は「不動産経営者」と記載し、サラリーマン等の本業がある場合でも、副業として不動産経営をしていることを明記することで、融資の審査において適切な評価を受けることができます。
このように、アパート経営者は、納税、融資、保険加入といったさまざまな場面で、自分の職業を適切に記載することが求められます。
正しい職業の記載によって、法的なトラブルや金融機関との関係構築における誤解を避け、スムーズな経営を行うことが可能となります。
アパート経営を成功させるためには、これらの細かい点にも気を配り、適切な対応を心掛けることが、非常に重要です。