リスク資産とは?安全資産との違いやそれぞれの投資商品を解説
資産の中には、安全な資産とリスクの高い資産があります。
リスク資産とは中でも元本割れする可能性の高い資産のことを指し、投資の対象となりやすいです。
資産運用を行う際は安全な資産とリスク資産との違いを把握して、バランスを取りながら運用していきましょう。
この記事では、リスク資産と安全資産について解説してから、主な投資商品やそれぞれの割合を解説していきます。
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リスク資産と呼ばれる主な商品
リスク資産とは、投資した資産の価格が大きく上下する可能性があると共に、投入した資本(元本)を損失する危険性が伴う資産のことを言います。
リスク資産は価格変動のリスクがありますが、相応のリスクを取ることで高い利益を追求することも可能です。
リスク資産に含まれる投資商品としては、以下で紹介するものがあります。
それぞれの特徴を紹介します。
株式
株式投資は、企業の所有権の一部を獲得する行為であり、一般的にリスク資産として認識されています。
企業の成長とともに価値が増加する一方で、業績が悪化すれば価値が減少する可能性もあります。
株式投資はリスクを伴いますが、その反面、大きな収益を期待することが可能です。
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社債
社債は、企業が資金を調達するために発行する債券です。
投資家は社債を購入することで、定期的な利息と元本の返済で利益を得ます。
社債の価格は発行企業の信用力や金利の動きによって変動するため、リスクとなります。
特に信用力の低い企業が発行するハイイールド債は、デフォルトリスクが高く、リスクの高い投資商品となります。
不動産
不動産投資は、資産価値の増加と定期的な家賃収入を目指す投資です。
不動産の価格は、地域や市場状況により変動しますが、長期的な視点では価値が上昇し、安定した家賃収入が見込めます。
不動産投資は通常大きな資金が必要ですが、不動産クラウドファンディングのような少額で始められる新たな投資手法も現れています。
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投資信託
投資信託は、複数の投資家から集めた資金をプロのファンドマネージャーが管理し、様々なジャンルに投資してくれる方法です。
投資信託のリスクとリターンは、そのファンドがどのような資産を選択するかによって変わります。
株式中心のファンドは高リスク・高リターンな一方で、債券などに投資するファンドは低リスク・低リターンとなります。
安全資産とは?
安全資産は、元本が確保される可能性が高く、その価値が一定であると見なされる投資対象を指します。
一般的に、以下のようなカテゴリーに分類されます。
- 信頼性の高い政府が発行する債券(米国のトレジャリー債など)
- 銀行預金
- マネーマーケットファンド(MMF)など
安全資産は価値の安定性が求められるため、投資リターンは低めですが、市場が混乱していたとしても損失が発生しづらいです。
投資ポートフォリオを作る際には、個々のリスク許容度、希望するリターン、投資期間などを考慮して、リスク資産と安全資産の比率を適切に調整することが大切です。
さらに、市場の動向を定期的にチェックし、投資先のバランスを適時調整することも重要な要素となります。
安全資産の主な投資商品
安全資産の商品としては、以下のものが挙げられます。
預貯金
預貯金は、金融機関に資金を預け定められた利息を受け取る形式の投資です。
非常に安全な投資手段であり、特に定期預金では元本と利息が保証されます。
貯蓄型保険
貯蓄型保険は保険料の一部が貯蓄として積み立てられ、一定の利益を生む保険商品です。
保険契約期間終了時に、積み立てられた資金とその利益がまとめて支払われます。
多くの場合、元本が保証されておりリスクは比較的に低いとされています。
国債
国債は、政府が資金を調達する目的で発行する債券の一種です。
投資家が購入し、一定の期間ごとに利息を受け取り、満期時に元本を返還されます。
特に信用評価の高い国(例えば、アメリカや日本、ドイツなど)の国債は、安全な投資と見なされます。
リスク資産と安全資産の割合
投資ポートフォリオにおけるリスク資産と安全資産の配分は、投資家個々のリスク許容度、投資目標、投資期間等に基づいて異なります。
投資の目標による割合の設定
長期間での資産増加を目指す、あるいは高い利益を期待する場合、一般的にはリスク資産の比率を高く設定します。
反対に安定した収益を求める、または元本の維持が優先の場合、安全資産の比率を高く設定します。
リスクを伴いつつ資産を増やすのか、それとも安全に運用するのかは、投資家自身の考え方によります。
国や地域による違い
欧米諸国、特にアメリカでは、リスク許容度が高い投資家でもリスク資産と安全資産の割合を1:1から3:1程度に保つのが普通です。
それに対して、日本では、通常リスク資産と安全資産の割合は1:3から1:5程度に設定するのが一般的です。
上記の比率は一般的な傾向を示すものであり、具体的な割合は個々の投資家の状況によりますが、比較的日本の投資家は安定志向と言えます。
自身の状況に合わせて、市場の動向や経済の変化に対応し、リスク資産と安全資産の割合を定期的に再評価(リバランシング)することが重要となります。
リスク資産に投資する際の注意点
リスク資産に投資をする際は、次の点に気を付けましょう。
- 長期的な投資を行う
- 少額で始める
- 分散投資をする
資産運用を始める際はリスクをおさえて投資することが重要です。
特に、初めて投資する人はいきなり高額な投資をするのではなく、少額でリスク管理をする方法を勉強してから、徐々に金額を増やしていく方法がおすすめです。
以下にそれぞれの注意点を解説します。
長期的な投資を行う
長期的な投資は、市場の一時的な揺れや短期的な変動から影響を受けにくいという特性があります。
市場は短期的には予測不能な動きを見せることが多いですが、長期的には一般的に成長傾向にあるとされています。
長期的な視点で投資を行うことで、市場全体の成長を利益に変える可能性があります。
また、長期投資は一時的な損失が発生したとしても、それほど影響が出ません。
ただし、長期投資を行う場合はその期間中に資金が必要にならないこと、またリスク許容度に合った資産配分を行うことが重要です。
少額で始める
投資を始める際には、まずは少額から始めることをおすすめします。
自身のリスク許容度や投資スタイルを確かめて行く作業になります。
投資に関する知識や経験が不足している場合、少額から始めることで大きな損失を避けることができます。
初期の投資経験は、将来の投資戦略を練る上で非常に有用な学びとなるでしょう。
分散投資をする
分散投資とは、資産をさまざまな投資先に広げることを指します。
一部の投資が思うようにパフォーマンスを出せなかったとしても、他の投資によってその影響を相殺したり、最小限に損失を抑えたりすることが可能になります。
分散投資はリスクの管理手法であり、全ての投資が同時に失敗する確率を減らします。
ただし分散投資を行う場合でも、各投資のパフォーマンスを定期的に確認し、適切な資産配分を維持することが重要です。
リスク資産と安全資産の違いを理解して投資を始めよう
リスク資産とは、金融資産の中でも元本割れするリスクの高い商品です。
一方、安全資産は元本割れするリスクの少ない投資商品で、預貯金などが当てはまります。
投資を行う際には、リスク資産と安全資産のバランスを検討することが重要です。
自分の投資目的や期間などに合わせて決定しましょう。