ボロ戸建て投資のメリットやリスクについて解説【物件選びに注意】

Published On: 2024年04月02日Categories: 初心者向け
ボロ戸建て投資のメリットやリスクについて解説【物件選びに注意】

不動産投資をこれから始めようとする方は「なるべく費用がかからない物件を探している「ボロ物件でも良いから初期費用を抑えたい」などと、考えている方も多いのではないでしょうか。

そこで今回は、ボロ戸建て投資のメリットやリスク、注意点について解説します。

そもそもボロ戸建て投資とは?

ボロ戸建ての定義などはありませんが、築年数が古い戸建ての物件を購入して、投資することなどを指します。

また、築古の戸建て物件とは、築20〜30年以上のものを指すことが多いです。

そのため、ボロ戸建てというと築40年以上を指すことも多くなっています。

ボロ戸建て投資では、低価格で物件を購入し、費用が高くならないよう、最低限のリフォームにします。家賃も低く設定し、第三者に貸し出します。

とはいえ、ボロ戸建てはいつ建物や設備の不具合が起きてもおかしくありません。物件によっては、修繕箇所が多く、住宅設備の交換が必要になるケースもあります。

しかし、修繕費用を多く支払うのであれば、最初からボロ戸建てではなく、もう少し築年数が浅い物件を購入する方が良いでしょう。

ボロ戸建て投資のメリット

高利回りが期待できる

ボロ戸建て投資では、高利回りが期待できることが最大のメリットです。

利回りとは、投資金額に対する収益の割合で、表面利回りと実質利回りに分けられます。

表面利回りと実質利回りの違い

表面利回りは、1年間で物件価格に対し、どれだけ家賃収入が得られているかを示す指標です。

実質利回りは、1年間で物件価格に対し、どれだけ家賃収入が得られているかに加え、ランニングコストと物件購入時の諸費用も加味した指標です。

不動産投資では、表面利回りより実質利回りの方が重要視されます。

不動産投資の表面利回りと実質利回りの違いとは?それぞれの計算方法と注意点を解説

借金によるプレッシャーが少ない

不動産投資を行う際、一般的にはローンを組んで物件を購入することがほとんどです。

しかし、物件価格によっては、金融機関から融資を受けずに自己資金のみで物件を購入できる場合があります。借金があるとない場合では、精神的な負担も大きく異なります。

金融機関の融資を受けない場合は審査の手間もかからず、ボロ戸建て投資を行うことが可能です。

失敗してもリスクが低い

ボロ戸建ての物件価格は低く、初期費用を安く抑えることができます。

そのため、ボロ戸建て投資の運用に失敗しても、大きなリスクを背負うわけではありません。

仮に融資を受けていると、築年数の浅い物件を購入すると値段も高く、返済の負担が重くなります。

元本を早期に回収できる

ボロ戸建て投資は、初期費用が比較的低く抑えられるため、投資元本を早期に回収できる可能性があります。

一戸建ての場合は、ファミリー層が多く、比較的長く住まれる傾向にあります。そのため、元本を早期に回収できれば、安定した収益を生み出すことが可能です。

ボロ戸建ての投資リスク

修繕の手間と費用がかかる

ボロ戸建は初期費用は抑えられますが、必ずと言っていいほど修繕が必要になります。築年数も古く、経年劣化が激しい物件も多いため、修繕の手間と費用がかかります。

たとえば、雨漏りの影響による屋根や外壁、防水材の劣化などです。

屋根・外壁のひび割れや破損、排水設備のつまりなどが起きていることもあります。

水回りでは、蛇口やシャワーからの水漏れ、蛇口パッキンの破損、洗面台下の水漏れ、お風呂のひび割れ・排水口の詰まりなど、さまざまな箇所の経年劣化により、修繕費用がかかります。

一般的な住宅の水回りは下記の図のようになっており、下水道管周りでトラブルがあると家全体にデメリットが及んでしまいます。

水道設備の仕組み

既存不適格建築物・違法建築物件の可能性

ボロ戸建ての中には、既存不適格・違法建築物件に該当するケースがめずらしくありません。

既存不適格建築物は、法令の改正により、現行の法令に適さなくなったものを指します。

建物を建てた当初は基準を満たしていたものの、法改正により、既存不適格建築物となってしまうケースです。

違法建築物とは、建てた当初から法令に適合しないものや増改築工事などを行うことによって、法令違反となるケースを指します。

たとえば、建ぺい率や容積率のオーバー、建築確認申請を行なっていない場合などです。

建ぺい率

既存不適格建築物・違法建築物件の場合は、物件の概要書や重要事項説明書に記載されています。

建ぺい率・容積率とは?基本的な内容と計算方法を徹底解説

再建築不可物件の可能性

建築基準法の接道義務を満たしていない場合に、建物の建て替えができないことを指します。

接道義務とは、都市計画区域内に建物を建てる場合、原則として幅員4m(特定行政庁が幅員6m以上を道路として取り扱う区域は6m以上)の道路に2m以上接していなければならないことです。

再建築不可物件は、建て替えはできないですがリフォームして住むことは可能です。しかし、担保としての価値が低いため、住宅ローンが組めない可能性が高いです。

また、台風や地震などの自然災害で建物が倒壊した場合、その場所で住めなくなるというリスクもあります。

融資を受けられないケースがある

ボロ戸建て投資は、建物自体に価値がない場合も多くあります。そのため、融資を受けられないケースもめずらしくありません。

しかし、物件価格は築浅に比べ、安く買える場合もあるため、自己資金のみで始められるのも特徴の一つです。

売却しづらい

前述したとおり、ボロ戸建ては資産価値が低く、買い手がつきにくいことが多くあります。長期間にわたり、買い手がつかない場合は維持費のみを支払い続けることになります。

また、建物が売れない場合、更地にして売却する方法もありますが、解体費用が高額になることもあるのです。

不動産投資の主な失敗事例と損失を回避するポイント

ボロ戸建て投資の注意点

リフォームの知識を身につける

ボロ戸建ては、外壁や屋根、住宅設備など、あらゆる箇所の修繕が必要となります。そのため、すべてを業者に依頼すると費用が高額になります。

リフォームの知識を身につけ、できるところは自分で修繕を行うことも一つの方法です。

自分でできない場合にもホームセンターなどで必要な材料を揃え、取付けのみを業者に依頼するのもよいでしょう。

耐震基準を確認する

ボロ戸建てを購入する際、旧耐震基準と新耐震基準について確認しましょう。

旧耐震基準は、震度5強程度の地震では倒壊せず、破損したとしても補修することで生活可能なレベルを指します。1981年(昭和56)年5月31日までの建築確認において適用されていました。

新耐震基準とは、震度6強〜7程度の揺れでも家屋が倒壊・崩壊しないように定められた基準です。

旧耐震基準の建物は、物件価値が低く、万が一倒壊した場合は損害賠償を求められるケースも少なくありません。売却する際も買い手がつきにくいのです。

そのため、物件を選ぶ際は「新耐震基準」以降の建物を選ぶことがポイントになります。

また、戸建ての構造によっても、住まいとして耐えうる年数は変化します。(法定耐用年数)

耐用年数

築古の住宅であるほど、木造など簡素な構造のものが多いので注意が必要です。

ボロ戸建て投資はリスクも把握しつつ慎重におこなう

ボロ戸建て投資は、高利回りが期待できる、借金などのプレッシャーが少ない、失敗してもリスクが低いなどのメリットがあります。

しかし、物件価値が低く、売却しづらい・買い手がつきにくい、融資を受けにくいなどのリスクも生じます。

そのため、修繕・リフォーム費用を抑えながら、高利回り物件を選ぶことが重要です。