テレワークの普及で 「東京離れ」が進んでいる?今後の不動産投資に求められる 賃貸ニーズについて徹底解説

Published On: 2024年04月02日Categories: 初心者向け
テレワークの普及で 「東京離れ」が進んでいる?今後の不動産投資に求められる 賃貸ニーズについて徹底解説

「東京離れ」という言葉は、今まで東京都で生活していた方が登記用途以外の地域に移住し、定住することを指しています。

東京離れが起きている要因は、政府が少子化対策として掲げた「地方創生」になり、その内容に興味を持った若年層が地方に移住していったことにあります。

またテレワークの普及により、住居費が安い地方・郊外に移り住む方がいるのもまた事実です。

今回は、東京離れの実態について解説して行くと同時に、テレワーク普及が「東京離れ」加速させる要因になるのかについて解説して行きます。

東京離れが進んでいる実態

近年、日本の首都圏では「東京離れ」という現象が顕著になっています。

この現象は、東京とその近郊に住んでいた人々が、東京以外の地域に移住または定住することを指しています。

政府は少子高齢化対策として「地方創生」を推進しており、これが若者たちの間で東京離れに対する関心を高めています。

総務省「住民基本台帳人口移動報告2023年(令和5年)」によると、東京都内で転出者数が転入者数を上回る「転出超過」が起こり、その後もこの傾向が続いています。

東京23区の年間の転入超過者数の推移
2017年 2018年 2019年 2020年 2021年 2022年 2023年
転入超過数(人) 51,855 53,265 52,629 44,731 30,151 37,545 48,130

しかし、これには裏があり、東京都の転出者数が増加している一方で、東京圏全体として転出者数はあまり増加していません。

例えば、神奈川県、埼玉県、千葉県など、東京に隣接する県々では転入者数が増加しており、人々は東京都内からこれらの県へと移住していると考えられます。

これは全国的な人口分散を意味しておらず、政府が目指す「地方創生」への実現には至っていないと言えます。

さらに転出超過が起きた最大の原因は、新型コロナウイルスの影響による雇用の変化とテレワークの普及も、この東京離れの要因として挙げられます。

例えば、外出自粛により飲食店やサービス業の雇用が減少し、一方でリモートワークの導入により、多くの人々が自宅で仕事をするようになりました。

これにより、物価が高く感染リスクも高い東京に留まる必要性が薄れてきたと言えます。

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テレワークの普及によって東京離れは加速する?

テレワークの普及が進む中、東京からの人口流出が加速するのかについて注目が集まっています。

現在、東京都内ではまだ人口の転入超過が続いており、「都心離れ」が進んでいるわけではありません

しかし、テレワークが一般的になることで、地方への移住を選択する人が増える可能性があります。

パーソル総合研究所の調査によると、テレワークの実施率は全国平均で22.2%(※2023年7月調査)と、感染が拡大した2020年4月以降の中で最低値を出しています。

雇用形態別で実施率を見た場合、約社員・嘱託社員は12.4%、派遣社員は16.4%、パート・アルバイトが9.8%、公務員・団体職員は12.9%という結果です。

しかし、テレワーク導入企業の中でも、完全なリモートワークを実施しているわけではなく、多くの企業が週に2日以上の出勤を求めています。

また、テレワークの導入が進められる中、「業務内容がテレワーク向きじゃない」などの理由からテレワークを実施していないところもあります。

このことから、テレワークによる「東京離れ」が加速するとは限らないとも言えます。

実際に、テレワークを理由に郊外へ移住したものの、通勤が困難になり後悔している人もいます。

テレワークの導入が進んでいても、完全なリモートワークへの移行は難しく、その結果として地方への移住が進まない可能性があります。

結局のところ、テレワークの普及は東京離れを促進する要因となるかもしれませんが、現段階ではその影響は限定的です。

完全なリモートワークの実現が難しい現状を考慮すると、テレワークだけが東京からの人口流出を加速するとは言えません。

将来的にテレワークの普及が進み、リモートワークがより一般的になることで、東京離れが加速する可能性はありますが、それはまだまだ先の話になるでしょう。

テレワークが推進される今でも都市部での不動産投資は続けるべき?

働き方改革の一環として、テレワークが導入された現在、国民の生活様式はコロナ禍をきっかけに変わりました。

しかし2024年現在は、感染拡大が騒がれていた2020年ごろに比べて、感染対策が生活の一部として浸透し、新たな生活にも慣れてきたころです。

「アフターコロナの時代」となった今でも、都市部での不動産投資は続けるのがいいのか?という疑問を持たれる方もいます。

結論を述べると、東京都内で人口の転入超過が起きている以上、都市部を中心に不動産投資を続けるのがいいでしょう。

また、それに付随して以下のような理由も挙げられます。

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少子高齢化は地方都市や郊外エリアから進んでいく

テレワークの普及が進んでいる現在でも、不動産投資において都市部への注目度は高まる一方です。

少子高齢化の進行は、地方や郊外エリアでは特に顕著であり、人口減少が進んでいます。

一方で、都市部では大学や企業が集まっているため、若い人々が集まりやすく、人口を維持しやすい環境があります。

これにより、都市部では賃貸需要が安定し、投資家にとって魅力的な市場となっているのです。

都市部の人口はコロナ禍から減っていない

2020年には一時期、東京で転出者が転入者を上回る状態がありましたが、年間を通して見ると、都市部の人口は減少していませんでした。

コロナが収束しテレワークが定着しても、都市部での生活を望む人々は減らないと考えられます。

都市部では、デジタルトランスフォーメーションが進み、より便利で快適な生活が実現できるため、人々を引き寄せる力は強まる一方です。

住まい選びに求めているものが変わらない

コロナ禍を経験し、テレワークが普及しても、住まい選びに求める条件は変わりませんでした。

利便性を重視する傾向が強くなっており、特に都市部に住む人々は、生活の便利さを優先します。

通勤頻度が減ったとしても、オフィスに近い場所や、日常生活で必要なものが手に入りやすいエリアに住むことが、今後も重要視されるでしょう。

オフィスや通勤はゼロにはならない

コロナ禍でテレワークが進んだとはいえ、完全にオフィスがなくなることはありませんでした。

多くの企業では、対面でのコミュニケーションの重要性を認識し、部分的な出勤を続けています。

都市部ではこのような働き方がしやすい環境が整っており、これが人々を引きつける要因となっています。

将来的にも、都市部での不動産投資は有望であると言えるでしょう。

地方・郊外で不動産投資を行うリスク

都心部とは打って変わり、地方都市や郊外の方が不動産価格は安い設定されています。

そのため、高利回りを目指して、地方都市や郊外で不動産投資を始められる方もいます。

事実、物件を安く仕入れてプラスになる賃料で物件を貸し出せば、少ない初期費用で高利回りでの運営が可能です。

しかし、前述したとおり、地方への転出が起きていない今の現状で不動産投資を地方都市・郊外で行うのは非常にリスキーです。

以下、地方・郊外で不動産投資を行ったときに伴うリスクになります。

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入居者が集まりにくい

地方や郊外では、人口の減少とともに賃貸需要が低下しています。

これは、不動産投資家にとって入居者を見つけることが困難になることを意味します。

また、地域によっては、特定の産業に依存しているため、その産業が衰退すると賃貸ニーズが一気に減少してしまう可能性があります。

例えば、大学や大手企業のキャンパスがある地域では賃貸需要が安定しているかもしれませんが、これらの施設が移転または閉鎖された場合、急激に入居者が減少するリスクがあります。

空室リスクの増大

入居者が集まりにくいという問題は、直接的に空室リスクの増加につながります。

空室が増えると、不動産投資家は賃料収入を失い、物件の維持管理費用やローン返済の負担が重くなる可能性があります。

特に、地方や郊外では物件価格は比較的安いものの、それでも空室が続くと経済的な負担が大きくなることが予想されます。

さらに、長期間にわたって空室が続くと、物件自体の価値が低下し、将来的な売却価格にも影響を与える可能性があります。

「家」に求めるものが変わったため

新型コロナウイルスの影響で、多くの人々がテレワークを経験し、家で過ごす時間が増えました。

これにより、「家」に対する価値観が変わり、以前よりも快適性や利便性を求める傾向が強まっています。

地方や郊外の物件は都市部と比較して価格は安いものの、住環境や利便性が劣る場合が多いため、これらのニーズを満たすことが難しくなる可能性があります。

結果として、地方や郊外の物件への魅力が低下し、入居者を惹きつけることが一層困難になってしまうでしょう。

Withコロナを踏まえた不動産投資の進め方

コロナとの生活が当たり前となった2023年現在、人々の生活様式や働き方には様々な変化が訪れました。

それに合わせて、「住まい」に求めるニーズにも大きな変化が起き、今後の不動産投資のやり方も変えていく必要があります。

ここでは、「Withコロナ」を踏まえた不動産投資の進め方について解説して行きます。

多様性に応じられる賃貸住宅

コロナ禍においても賃貸需要が途絶えないためには、ライフスタイルの多様化に応じられる住宅提供が重要です。

若者の中には、都心での仕事と週末のリゾートを両立させる「2拠点生活」を希望する人が増えており、これに対応できる物件が求められています。

さらに、「持たない」ライフスタイルを志向する人々も増加しており、これらのニーズに応えられる賃貸住宅が必要です。

個性を大切にし、自分らしさを表現できる空間を提供することが、賃貸経営の成功へと繋がるでしょう。

時代に合わせた感性を持つ賃貸住宅

最新のリノベーション技術を駆使して、古いマンションでも魅力的な物件に変貌させることが可能です。

これにより、賃貸住宅も時代の感性に合わせた個性的で自分らしい部屋を提供することができます。

賃貸経営を成功させるためには、時代のトレンドを捉え、居住者の個性とニーズに応じた物件提供が重要です。

長期在住を前提とした賃貸住宅

賃貸住宅のメリットを最大限に生かすためには、長期間住んでもらえるような環境作りが重要です。

これには、居住者が自分らしさを表現できるよう、内装や設備をカスタマイズできる余地を持たせることが効果的です。

また、メンテナンスをしながら住んでいけるような資材の選定も重要です。

これにより、居住者は部屋を「育てる」ような感覚で住むことができ、賃貸住宅としての資産価値も上がっていくでしょう。

人とのつながりが育める賃貸住宅

都市部のマンション生活は自由で気楽な反面、人との繋がりが希薄になりがちです。

この問題を解消するため、賃貸住宅の提供者は、入居者同士のコミュニケーションを促進するための工夫を行います。

例えば、共用スペースでのイベントの開催や、メンテナンス講習会を通じて、自然な形で人とのつながりが生まれる機会を提供します。

これにより、入居者は隣人との距離を縮め、コミュニティ感を育むことができます。

また、入居者専用のSNSを運営することで、オンライン上でもコミュニケーションが活発になり、新しい友人を作るチャンスが広がります。

これらの取り組みは、特に社会的な不安が高まる時期において、心の支えとなり、賃貸住宅が「第2の地元」と感じられるようになります。

自分らしさを体現できる賃貸住宅

自分の住空間に個性を反映させたいというのは、賃貸住宅に住んでいる人にとっても共通の願いです。

全てを自由にカスタマイズできるわけではないものの、部屋に自分らしさをプラスすることで、個性を表現することは可能です。

たとえば、部屋の一部をあえて未完成の状態にしておくことで、入居者自身がデザインや装飾を楽しむスペースを提供することができます。

さらに、テイストや色合いを工夫することで、画一的な賃貸マンションでも個性豊かな空間を作り出すことが可能です。

このような自分らしさを大切にする住空間づくりは、入居者に満足感を与え、長く愛着を持って住み続けてもらうための重要な要素となります。

賃貸ニーズが変わっても東京の魅力は揺るがない

不動産投資において賃貸需要は極めて重要であり、特に空室リスクは投資家が最も警戒すべき点です。

東京23区におけるマンション市場は、学生や新社会人、転勤者、セカンドハウス利用者といった多様なニーズに支えられ、賃貸需要が高いことが特徴です。

ただし、コロナ禍の影響により、都市部からの転出傾向が強まっている現状も無視できません。

しかしながら、東京は政治、経済、文化の中心としての地位を維持しており、その魅力は変わらないため、賃貸市場としてのポテンシャルは高いと評価できます。

投資家としては、常に市場の動向を注視し、柔軟な運用戦略を取ることが成功へのカギとなるでしょう。