不動産投資と株式投資はじめるならどっち?メリット・デメリットを比較
不動産投資と株式投資は、数ある投資の中でも興味を抱く層の多い、人気の手法と言えます。
これから投資を始めようと思っている方の中でも、この2つの投資のうち、どちらで始めるか迷っている方は多いでしょう。
不動産投資と株式投資には、それぞれメリット・デメリットがあるため、選ぶ際はしっかり精査をしておく必要があります。
今回は、株式投資と不動産投資の違いを、それぞれの特徴を比較しながら解説していきます。
インボイス制度導入が不動産管理に与えた影響とは?オーナーや管理会社が行う対応について解説
株式投資と不動産投資の違い
投資対象が異なる
株式投資は、企業が事業を継続していくため、資金を集める方法です。
企業が発行した株式を購入することで株主となり、出資者のひとりとなるのです。
企業側は、株式を購入した出資者から集めた資金で事業を行います。事業で得られた利益の一部は、出資者に配当金として還元します。
配当金は、一般的には年に1回、もしくは2回です。
また、一定数の株式を所有している出資者は株主優待が受けることができ、自社商品やサービスなどをお得に提供してもらえます。
不動産投資は、アパートやマンションなどを購入し、家賃収入を得る方法です。
物件の値上がりなどのタイミングで売却して利益を得る場合もあります。
REITと不動産投資を始めるならどっちがおすすめ?利回り・流動性・税制面について徹底比較
インカムゲイン・キャピタルゲインでの投資方法が異なる
このように株式投資と不動産投資は、投資対象が異なるものの、インカムゲインとキャピタルゲインの両方を得られるということです。
キャピタルゲインは、資産を売却することによって生じる値上がり益を指します。
インカムゲインは、資産を保有することにより継続して得られる利益です。
短期・長期投資の違い
株式投資の場合、短期では値上がり益を期待し、購入時より高くなったタイミングで売却します。1日の中で売買を行うデイトレード、数日〜数週間の期間で売買するスイングトレードなどがあります。
長期の株式投資では、配当金や株主優待を受けながら、資産を増やしていきます。
不動産の場合も同様に、短期で値上げが期待できれば、そのタイミングで売却します。
長期の不動産投資は、継続して家賃収入を得て資産を増やしていくのが目的となります。
株式投資のメリット・デメリット
短期的に収益を得られる
証券会社の口座を開設し、入金するとすぐに株式の売買が可能になります。
流動性が高く、すぐに現金化できることがメリットの一つです。
うまくいけば、デイトレードでその日の売買で大きな利益を得られる可能性もあります。
株式投資の取引には、現物取引と信用取引があります。
現物取引は、現金で株式を売買する方法です。自己資金300万円ある場合は、300万円の株式を購入できます。
信用取引は、現金や株式を担保(保証金)として証券会社から現金や株式を借りて株式を売買する方法です。
保証金より、レバレッジを効かせた自己資金以上の取引を行うことが可能になります。
信用取引には「制度信用取引」と「一般信用取引」の2種類があります。
制度信用取引は、6ヵ月以内の返済期限があり、証券取引所の規則により、弁済期限や品貸料が決められている制度です。
一般信用取引は、証券会社が独自に定めている信用取引を指します。
応援したい企業に投資できる
応援したい企業に投資できるのも株式投資におけるメリットといえます。
一定数の株を所有していると株主優待や配当金を受けれるため、モチベーションにつながります。
短期的に損失する可能性あり
株式投資では、損失が出ることもめずらしくありません。購入した価格よりも株価が下がることがあるためです。
株価が下がる要因としては、世界の社会・経済情勢、景気動向、国内政治の動向、企業の決算など、さまざまな要因があります。
また、ボラティリティ(値動きの幅)が大きいケースもあり、大きく利益を得られるときもあれば、大きく損失出ることもあるのです。
デイトレードやスイングトレードでは、短期的に損失する可能性があります。
取引回数が増えると、その分、手数料が発生するため、コスト高にもつながります。
世界情勢や企業情報を日々チェックする必要がある
前述したとおり、株式投資では、世界の社会・経済情勢、景気動向、企業の業績など、さまざまな要因で株価が下落する場合もあります。
そのため、世界情勢や企業情報を日々チェックすることが大切です。
不動産投資のメリット・デメリット
管理会社に依頼すれば手間がかからない
不動産の管理については、自主管理と管理委託があります。
自主管理は、入居者募集や入居者のクレーム対応、家賃の回収、退去時の立会いなど、すべて不動産オーナーが管理業務を行うことです。
管理委託は、管理業務の全般を管理会社に委託することです。管理会社に依頼すれば、管理の手間がかかりません。
不動産投資を行う方の中には、サラリーマンや個人事業主など、他の仕事をかかえている方も少なくありません。
管理委託することで物件管理やクレーム対応などを安心して任せられ、不動産オーナーの負担も減ります。
自宅として利用もできる
投資物件を居住用として利用することも可能です。
ただし、不動産投資ローンを組んでいた場合、住宅ローンへの借り換えが難しくなります。
不動産投資ローンの金利は、一般的に年利1.5%〜4.5%程度です。一方、住宅ローンの金利は、年利0.5%〜2.0%程度となっています。
そのため、高い金利から低い金利に変更することを容易に認めると、金融機関の収益にも影響します。
また、居住用の物件を他人に賃貸した場合、住宅ローンを組みながら投資物件を運用することになるので、金融機関への届け出が必要です。
投資金額が大きい
不動産投資には、さまざまな費用が発生します。
物件の購入する費用は、中古マンションであっても1,000万円以上の資金が必要になるでしょう。
物件の購入費用以外にも仲介手数料や印紙税、登録免許税、住宅ローンの保証料、手付金、不動産取得税などの費用が発生します。
経営のノウハウや物件の選定知識を身に付ける必要がある
不動産投資では、経営のノウハウや物件の選定知識を身に付ける必要があります。
経営ノウハウは、関連する法律知識が必須です。
たとえば、不動産取引の基礎となるのは「民法」です。不動産の契約や権利関係、相続、贈与なども含まれます。
賃貸に関連する法律では「借地借家法」が民法よりも優先します。契約の更新や定期借地権、定期借家に関する規定が盛り込まれています。
その他、不動産業者でない一般の方を保護する規定が含まれる「宅地建物取引業法」、登記に関する「不動産登記法」、分譲マンションに関する「区分所有法」など多数あります。
物件の選定知識は、立地や築年数、求められる住宅設備、不動産会社選びまで、幅広く学ぶ必要があります。
不動産投資の相談はどこにする?おすすめの相談先の特徴と選び方のポイントを解説
自分に合った投資方法で運用を始めよう
株式投資や不動産投資もそれぞれリスクがあります。場合によっては大きな損失も出るかもしれません。
そのため、自分に合った無理のない投資方法で運用を始めることが大切です。
常に新しい知識を取り入れ、突然のトラブルやリスクにも対応できるようにしましょう。