投資用マンションはどこを見て選ぶべき?内覧時のチェックポイントを徹底紹介
投資用マンションの購入を検討する場合は、ネットで情報収集をするだけでなく、実際に物件を訪れて内覧をした上で判断をしたほうが、質の低い物件を購入してしまうリスクを回避できます。
ただし、内覧をする際は直感で良い物件かどうか判断するのではなく、事前にチェックポイントを整理した上で、客観的にチェックをする必要があります。
ここからは、投資用マンションの内覧をおこなう際に抑えておきたいポイントを解説していきます。
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投資用マンションの内覧をおこなう目的
投資用マンションの内覧を初めておこなう際は、内覧の目的を整理する必要があります。
投資用マンションの内覧は、一般的な賃貸物件の内覧などとはチェックすべきポイントが異なります。
ここからは、投資用マンションの内覧をおこなう目的を解説していきます。
目的①資産価値が落ちないかどうかを見極める
不動産投資は、長期的に家賃収入を得られるかどうかが重要なポイントです。
そのため、物件を購入する際は、資産価値が落ちにくいかどうかを見極める必要があります。
資産価値が落ちにくいかどうかは、耐用年数が長くて劣化がしにくいかどうかも重要ですが、周辺エリアの都市開発など、その街の将来性にも着目する必要があります。
また、新築や築浅のマンションのほうが、築年数の経過によって資産価値が落ちるまで時間があるので適していると言えます。
目的②ターゲットに適しているかどうかを見極める
どんな入居者をターゲットにするかで、理想の間取りや外観は大きく変わります。
周辺環境などを調査してターゲット層を分析したら、ターゲットに好まれる物件かどうかのチェックをおこないましょう。
教育設備が整っており、家族連れが多いエリアなら、子ども部屋の有無など家族が暮らしやすい間取りのマンションが好まれます。
学生や単身者が多いエリアなら、リーズナブルさが求められる一方で、住宅設備や機能の充実度はそこまで求められないことが多いです。
東京などは、都心部と郊外でも、物件の需要に違いがあります。立地とターゲットを整理して、どんな物件を購入すべきか方針を決めましょう。
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投資用マンションの内覧でチェックすべきポイント
内覧でチェックすべき2つの前提を説明しましたが、実際の内覧では具体的にどこをチェックすれば良いのでしょうか?
ここからは、投資用マンションの内覧でチェックすべきポイントを細かく紹介していきます。
日当たり
日照条件は、マンションを購入する上でチェックしておきたい重要なポイントです。
日当たりが悪いと単純に洗濯物が乾かなくて不便というだけでなく、湿気が溜まって錆やカビが発生しやすいので劣化が早い傾向にあります。
錆・カビ対策のために管理費が高くなってしまうと、利回りは低くなってしまいます。
また、低層階だけ著しく日当たりが悪いといった場合も、満室の見込は薄くなるので注意が必要です。
インターホン
マンション投資をするなら、インターホンは必要最低限の設備です。
セキュリティや利便性を考えると、モニター付きのインターホンが設置されている物件をおすすめします。
また、併せてオートロックの設備があれば、若い独身女性なども入居しやすいです。
棟内の階段
マンション内の階段が外階段か内階段かもチェックが必要です。
一般的には内階段のほうがプライバシーを保護できるだけでなく、雨風や雪が入ってこないので快適です。
外階段だと雨に濡れて滑りやすくなった階段で転ぶなどのリスクもあります。
部屋の扉の結露や部屋の中の湿気・カビなども外階段のほうが発生しやすく、外の臭いも感じやすいので、可能であれば内階段のマンションを選ぶのがおすすめです。
メールボックスや宅配ボックス
宅配物が届いたときに、隣人からのプライバシーを保護しながら荷物をしっかり受け取れる設備の有無は重要です。
特に宅配ボックスの人気や需要は年々高まっており、同程度の家賃だと宅配ボックスがある物件に人気が集まりやすくなっています。
ゴミ出しの環境
ゴミ出し場の環境がしっかりと整理されているかも、チェックしておきたい重要なポイントです。
ゴミ出し場が室内に設置されている環境のほうが、ゴミ捨てが楽なので人気が高いです。
また、内覧時はゴミがしっかり捨てられているかどうかもチェックしましょう。
ゴミの分別がされておらず散乱されている状態だと、入居者のモラルに不安が残る状態で、将来の入居率にも影響を及ぼす可能性があるので注意が必要です。
駐車場や駐輪場の環境
マンションごとに用意されている駐車場・駐輪場についても、内覧のタイミングでチェックしておくことをおすすめします。
利用ルールが設定されていたとしても、ルール無視で使われていたり、管理が行き届いていなかったりするケースもあります。
合わせてどのような管理の形態をとっているのかもチェックしておきましょう。
エレベーターの状況
低層のマンションでも、エレベーターの有無は利便性に大きく影響します。
入居者の人数から、十分な数のエレベーターがあるかどうかをチェックしましょう。
築年数が比較的古いマンションなら、エレベーターがしっかり作動するかどうかも確認が必要です。
エレベーターが上手く作動しない場合は、修繕に大きな費用がかかる可能性があります。
共用部分の廊下や壁
共用部分の廊下や壁が劣化している場合は、見栄えが悪いだけでなく、個々の部屋も劣化している可能性が高いです。
また、共用部分の天井が低い場合は、各部屋の天井も低い傾向にあります。天井の低い部屋は人気がなく、入居者が定着しにくいので注意が必要です。
部屋の中のチェックすべきポイント
既に満室のマンションだと難しいですが、空室のあるマンションなら部屋の中を見られるケースも多いです。
部屋によって使用状況は異なるため、空いている部屋の印象から購入を判断してしまうのはリスクもあります。
ただし、空き部屋の状態を確認することで、判断できるポイントもいくつかあります。
ここからは、部屋の内覧で注視したいポイントを紹介します。
物件広告と実際のギャップ
物件広告で広く立派な印象を受けたとしても、実際に内覧をしたら異なる印象を持つケースも少なくありません。
こうした印象のギャップは主観も入っているので一概に正しいとは言えませんが、室内の面積は壁の中心線を基準に算出しているため、実際に間取り図が同じ物件よりも面積が狭いというケースはあります。
購入の際に実際の大きさを把握しておきましょう。
図面との相違
上記のケースとは別に、実際の間取りが間取り図と異なっているケースもあります。
こうしたケースも放置しておくと入居率に悪い影響を及ぼすので、必ず確認しておきましょう。
設備のタイプ
部屋についている冷暖房やお風呂の設備が、どのような年代製でどんなタイプのものを採用しているかもチェックが必要です。
設備のタイプが古いほど、一般的に人気は下がります。
また、リフォームの必要性も将来的に高まるため、コストが増加するリスクもあります。
壁・床のタイプ
壁紙や床のデザインが現在のトレンドとはそぐわない古臭いものである場合などは、人気が集まりにくいので注意が必要です。
ひと昔前のトレンドで和柄・花柄の壁紙を採用している築古マンションなども多いですが、現在では比較的シンプルなものが好まれます。
周辺環境でチェックすべきポイント
投資用マンションは建物自体だけでなく、建物周辺のエリア環境もチェックする必要があります。
ここからは、周辺エリアでチェックすべきポイントを解説します。
駅からのアクセス
マンションが駅からどれくらいの距離かは、購入を決める上で最も重要な項目の一つです。
駅からの距離は単純に入居者にとって利便性が高いというだけでなく、資産価値が落ちにくい傾向があるのでオーナーにとっても大きな意味があります。
図面やネットの情報だけでは実際の距離は分かりにくいので、歩いてみることが大切です。
ハザードマップ・避難場所
周辺エリアのハザードマップを確認しながら、周辺環境をチェックしておくことも大切です。
特に近年開発が著しいエリアは、海や川が近かったり、埋め立て地で地盤が悪かったりすることが多いので、注意する必要があります。
また、公園や体育館、学校のように避難できる場所があるかどうかもチェックしておきましょう。
買い物環境
どんなにブランド力の高いエリアや都市部からアクセスの良いエリアでも、周辺にスーパーやコンビニなど日用品や食べ物を買える環境がないと、生活は不便です。
港区の都心周辺エリアなどは、近くに買い物できる環境がないために住んでみると意外と不便さを感じて、引っ越していく方も少なくありません。
おしゃれさや眺めの良さだけで住む街を決めると意外な落とし穴があるので注意しましょう。
敷地内や近隣の樹木など
敷地の中や近くに枯れ木などがあり、臭いが発生したり、枯葉が頻繁にベランダに入ってきたりするケースもあります。
頻繁に手入れがされている場合は問題ありませんが、手入れが行き届いていない場合などは注意が必要です。
内覧ではマンションの幅広い面をチェックすべし
マンション投資における内覧は、単に物件を見る以上の価値があります。
インターネットで得られる情報では把握しきれない、生の状態を確認する絶好の機会です。
効果的な内覧を行うためには、部屋の印象だけでなく、建物全体の構造、設備の状態、管理状況など、マンションの幅広い面をチェックすることが大事です。
具体的には、共有部分の清潔さやメンテナンス状態、管理組合の運営状況、さらにエレベーター、廊下、非常階段などの共有施設の利便性や安全性も重要なチェックポイントです。
部屋の内部では、日照条件、通風状態、防音性能など、居住性に直結する要素に加え、水回りの設備や使い勝手、修繕の必要性も詳細に観察しましょう。
さらに、周辺環境にも目を向けることが大切です。
物件の立地による利便性、周辺の騒音レベル、近隣施設の充実度などが、賃貸需要に影響を与えます。
また、将来的な地域開発計画が物件価値にプラスに作用する可能性もあるため、情報収集を怠らないことが重要です。
内覧を行う際は、可能であれば、不動産のプロフェッショナルや信頼できる第三者を同伴することも有効です。
客観的な視点でのアドバイスや指摘は、投資判断の精度を高める助けとなります。
このように、内覧は単なる形式的なプロセスではなく、物件のポテンシャルやリスクを直接確認し、賢明な投資判断を下すための重要なステップです。
マンションの幅広い面を綿密にチェックし、成功への道を切り開きましょう。