不動産投資はサブリース契約などで運用を外部に委託できるので、オーナーの手間を抑えながら運用することが可能です。

そのため、一見すると会社で働きながら副業として行うのに適しているように思えます。

また、不動産投資は、資産運用の一環として認められていることが多いため、就業規約が厳しいサラリーマンでも始めやすいです。

とはいえ、勤め先によっては家賃収入が副業として見られる場合や厳重注意を受けることもあります。

今回は、サラリーマンが不動産投資を行う場合の扱いについて解説していきます。

不動産投資が一般的に副業とみなされない理由

賃貸物件を意図せず引き継ぐことがある

家賃収入を得ている方の中には、親族が所有していた不動産を相続、譲渡されたなどのやむを得ない事情の方もいます。

能動的に不動産投資を始めたのではなく、親族から引き継ぐ形で不動産投資を始めたケースや、親族にマイホームを貸し出して、収入を得ているケースもあります。

賃貸物件を何らかの理由で引き継いだ場合、賃貸契約を無視して入居者を追い出したり、売り払ったりすることは原則できません。

投資・資産運用は禁止されにくい

副業を禁止している企業でも、株式投資やFX、不動産投資などは資産運用の一環として容認されているところが多いです。

しかし、不動産投資が資産運用の範疇を超えるものになると、副業とみなされ、規約違反になる可能性が高まります。

禁止すべき理由が少ない

業務への悪影響を危惧して副業を禁止する企業も多いですが、不動産投資は賃貸管理会社に運用を委託することもできるため、時間や労力を割いてしまう訳では必ずしもありません。

株式投資やFX取引の場合はインサイダー取引が禁止されていますが、不動産投資は市場に物件情報が公開されているのも大きな違いです。(REIT等を除く)

また、不動産投資を実施する過程で会社の機密情報やノウハウが漏洩してしまうリスクも多くありません。

勤務先から不動産投資を禁止されやすいケース

一定の規模を超えている場合

運用している不動産の物件件数が事業的規模であった場合、資産運用の一環として容認されていた不動産投資が副業扱いになります。

5棟10室を超す状態で投資を行っていると、事業的規模でおこなっていると判定されやすいです。(5棟10室基準)

5棟10室とは、戸建て住宅など、独立した家屋が5棟以上、もしくはマンション・アパートなどの戸数が10室以上ある状態を指します。

家賃収入は、所有する件数に応じて金額が増えていきますが、一定の規模を超える場合は、勤務先の就業規約の確認と認可を得る必要があります。

10台以上の駐車場経営

駐車場経営で副収入を得ている場合、以下の判定基準を超す状況であれば、事業としてみなされることが多いです。

  •  10台以上の駐車スペースがある月極駐車場を所有している
  •  コインパーキングなどの建築物、または機械設備がある駐車場の経営をしている

旅館・ホテルなどの施設経営

旅館やホテルなどの娯楽施設を所有して、副収入を得ている状況も事業とみなされやすいです。

年間家賃収入の金額が500万円以上

就業規約によって異なりますが、おおむね500万円以上の家賃収入を得ている状況であれば、副業として扱われるケースが多いです。

事業的規模と併せて、就業規約の確認をしておきましょう。

サラリーマンが不動産投資を行う際の注意点

会社から不動産投資への理解があっても、運用する上で会社に迷惑がかかるようなトラブルがあれば、続けるのは難しくなります。

会社に所属しながら不動産投資をおこなう場合は、特にトラブルに注意していきましょう。

ここからは、特に注意したいポイントを紹介していきます。

税金の未申告に注意

年間家賃収入額が20万円を超える利益を所得している場合、税務署に確定申告を提出しなければなりません。

確定申告を行わなければ追徴課税のリスクを負うばかりか、脱税で処罰の対象になることもあります。

税務署から直々の連絡が勤め先に入ることもあり得るので、確定申告は忘れずに提出しましょう。

住民税額の変化に注意

サラリーマンの場合、毎月納められる給与から天引きされる形で住民税が納税されています。

差し引きされる金額は所得額に応じて決定するため、家賃収入が大きいほど納める住民税の金額も大きくなります。

事前に会社へ報告をしておかないと給与計算等で手違いが起こりやすいので注意しましょう。

本業への悪影響を避ける

不動産投資の規模が大きくなったり、のめりこんでいったりすると、本業に支障が出るようになることもありえます。

1 副業・兼業の現状

(2) 副業・兼業に関する裁判例では、労働者が労働時間以外の時間をどのように
利用するかは、基本的には労働者の自由であり、各企業においてそれを制限する
ことが許されるのは、例えば、
① 労務提供上の支障がある場合
② 業務上の秘密が漏洩する場合
③ 競業により自社の利益が害される場合
④ 自社の名誉や信用を損なう行為や信頼関係を破壊する行為がある場合
に該当する場合と解されている。

引用:厚生労働省「副業・兼業の促進に関するガイドライン」より

投資が認められている場合でも、上記のようなケースだと服務規律や就業規則に違反しているとして、懲戒処分事由として認められる可能性があります。

同僚への勧誘等を避ける

不動産を上手く運用できていたとしても、同僚へ自慢したり、過度に勧めたりするのは控えたほうが良いでしょう。

気心の知れた同僚に善意で紹介をしたとしても、必ず成功する確証はありません。

複数の社員を巻き込んだ投資トラブルが発生すれば、さすがに会社としても対策を打たざるを得なくなっています。

不動産投資は本業と両立しやすい

一般的に不動産投資が副業扱いされるケースはほとんどなく、本業と両立して始めやすいのでおすすめです。

ただし、公務員や銀行員など、投資や副業に厳しい業種・職種の方は注意しましょう。