権利収入とはどのような収入?収益の仕組みやビジネス形態について解説
権利収入とは、自分が所有する権利に基づいて得た収入のことです。
「働かずとも収入が得られる」という仕組みから、不労所得とも呼ばれており、印税や家賃収入などが該当します。
また、収入を得る仕組みを構築してしまえば本職に支障を来たすことなく、副収入にもなります。
今回は、権利収入の定義と仕組み、この仕組みを用いたビジネスモデルについて解説します。
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権利収入の定義・仕組み
冒頭でも紹介したように、権利収入とは、特定の権利を有することにより得られる収入のことを指します。
主に著作権、特許権、商標権などの知的財産権や不動産の賃貸権、株式保有による配当権などが該当します。
これらの権利を活用することで、ある程度パッシブな形で利益が得られます。
例えば、あなたが書いた本から著作権料として収入を得たり、あなたが所有するアパートから家賃収入を得たりすることが権利収入です。
労働収入との違い
労働収入と権利収入の主な違いは「時間と収入の関係」にあります。
労働収入は、働いた時間や労力に対して得られる収入で、時間と直接連動します。
一方、権利収入は特定の権利から得られる収入であり、時間に直接連動しない特性があります。
例えば、著作権はその作品が販売され続ける限り作成者は収入を得続けます。
そのため、労働収入と比較して、一度権利を取得し、適切にそれを管理すれば、定期的に収入を得ることが可能となります。
これが、権利収入の大きな魅力とされています。
権利収入で稼ぐメリット
ここでは、権利収入で稼ぎを得るメリットについて2つ紹介します。
不労所得の仕組みになる
権利収入は、不労所得の一形態となります。
つまり、定期的な労働を必要とせず、一度権利を確立すると、その後は収入が自動的に発生します。
例えば、著者は一度本を書くと、その後は本が売れるたびに著作権料を受け取ることができます。
同様に、不動産投資家は物件を買い、それを賃貸することで、家賃収入が得られます。
つまり収入の自動化を促す仕組みを作ってしまえば、経済的な自由を追求する大きな助けになります。
労働収入からの脱却
権利収入は、時間と直接連動しない収入であるため、労働収入に頼ることからの脱却が可能になります。
先ほども申したように、労働収入は、時間と労力に対する報酬であり、時間やエネルギーが限られているため、月収入も限界があります。
一方、権利収入は時間や個人のエネルギーに縛られず、一度権利を確立すれば、その後の収入は権利の利用状況によるため、理論上、月収入に上限はありません。
これは、経済的な安定や豊かさを追求するうえで大きな魅力となります。
権利収入で稼ぐデメリット
権利収入は収入が入る仕組みを構築してしまえば、自動的に収入が入ってくるわけですが、仕組みを構築しても必ずしも収入が得られるという保障はありません。
ここでは、権利収入が抱えるデメリット・リスクについて解説します。
仕組みづくりに時間と手間がかかる
権利収入を得るためには、初期の投資や準備が必要です。
例えば、著作権から収入を得るためには、まず本を書く労力が必要です。
不動産からの収入を得るためには、物件の購入や管理に必要な資金と時間を用意する必要があります。
これらの活動は労力と時間を必要とし、結果が出るまでには時間がかかります。
収入が安定しない
権利収入は、特定の権利の価値や需要によって変動します。
著作権や特許権などの知的財産権は、人々の興味や需要が移り変わるにつれて収入が変動する可能性があります。
また、不動産投資の場合も、市場環境や物件の条件により家賃収入が変動する可能性があります。
課税対象になる
権利収入は税法上の所得となりますので、税金が課されます。
稼いだ収入に対して一部を税金として支払う必要があります。
税金は国や地域、所得の種類や金額により異なるため、適切な税務対策が必要となります。
また、権利収入の種類によっては、専門的な知識が必要になってきます。
このように、権利収入にも様々なデメリットが存在するため、慎重な検討と準備が求められます。
権利収入を用いたビジネス形態
権利収入を得るためのビジネス形態は多種多様で、特定の権利や資産を有することで収益額を引き上げられます。
ここからは、権利収入を用いた代表的なビジネス形態について解説します。
不動産投資
不動産投資は、物件を購入し、賃貸することで家賃収入を得る形態です。
ここでの権利収入は家賃で、物件の価値や地域、市場状況によって収入は変動します。
初期投資が必要ですが、適切に管理された場合、安定した収入源となります。
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動画配信による広告収入
YouTubeなどの動画配信プラットフォームでコンテンツを配信し、広告収入を得るビジネスもあります。
視聴者が増えれば増えるほど、広告収入も増えます。
ここでの権利収入は、自身が制作した動画の視聴によるもので、クリエイティブな才能とマーケティングのスキルが求められます。
アフィリエイトなどの成果報酬
アフィリエイトは、自分のウェブサイトやブログ、SNSなどで他社の商品やサービスを紹介し、その紹介から売上が発生した際に報酬を得るビジネスモデルです。
ここでの権利収入は、紹介による成果報酬で、マーケティングのスキルと信用度が重要となります。
株式や投資信託などの配当金
株式や投資信託の保有者は、企業の利益配分(配当金)を受け取る権利を持ちます。
ここでの権利収入は配当で、企業の業績や市場状況により収入は変動します。
投資知識が必要ですが、適切な投資戦略を持つことで、収益性を高めることが可能です。
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権利収入を得るうえで気を付けること
権利収入を副業や将来的には本職する場合でも、法的な観点から気を付けなければならないことが多々あります。
ここでは、権利収入を得るうえで気を付けることを3つ紹介します。
本職先が副業を認可しているかの確認
サラリーマンなど、労働収入を得ている方が、権利収入などで副収入を得る場合、本職先が副業を許可しているかどうかを確認しましょう。
副業に関する法律では、労働者の自由とみなされていますが、一部の企業は、副業を禁止する規定を設けている場合があります。
もしも、所属する会社が副業を禁止しているにもかかわらず、権利収入などの副業で収入を得た場合、手厳しい処分が下る可能性があります。
そのため、事前に確認し、必要な手続きを踏むことが必要です。
確定申告の提出が必要になる
権利収入は税務上の所得となり、年間の収入によっては確定申告の提出が必要になります。
収入が一定の金額を超えた場合、自分で税金を計算し、税務署に報告する必要があります。
また、税金は収入の種類により税率が異なるため、適切な知識が求められます。
ネットワークビジネスを謳った詐欺の存在
権利収入を得るためのビジネスとしてネットワークビジネスがありますが、中には不適切な方法で高額な収入を謳う詐欺も存在します。
適切な事業モデルと詐欺を見分けるためには、事前の調査と疑問を持つ姿勢が重要です。
例えば、投資する金額に対して不自然に高いリターンを約束するビジネスや、加入者を増やすことに主眼を置くビジネスには注意しましょう。
権利収入の仕組みを構築して不労所得の1歩を踏もう
権利収入とは、特定の権利や資産を所有または運用することで得られる収入のことを指します。
不動産投資、動画配信、アフィリエイト、株式などの投資など、多種多様な形で権利収入を得ることが可能です。
権利収入には多大なるメリットがあります。
労働時間と直接結びつかないため、時間的な制約から解放され、不労所得の仕組みを作り上げることができます。
また、労働収入に頼ることからの脱却が可能となり、理論上無限の収入可能性が開けます。
しかし、その一方で注意点も存在します。
権利収入の構築は時間と手間がかかること、収入が必ずしも安定しないこと、そして課税対象となることがそれぞれ重要な視点です。
また、本職の副業認可状況の確認、確定申告の必要性、そしてネットワークビジネス詐欺などへの警戒感を持つことです。